オレの自慢のフルカスタムワゴンRが廃車に

自分が少しずつ手間暇かけてきた努力の結晶たるものが、一気にその価値を無くしてしまう時ほど虚しものは無い。なんでこんなに呆然とした態度なのかと言うと、オレの自慢のフルカスタムワゴンRが廃車になってしまったからだ。ワゴンRは公道でもよく見かけるように、かなり多くの人から愛されている車種だと思う。それゆえに、幅広い年齢が乗っている大衆車としての魅力があるのもワゴンRの良い点でだと言えるだろう。そんなワゴンRのもう一つの楽しみ方としては、その大衆性を逆手にとった自分なりのカスタマイズをできることが挙げられる。カスタマイズというのは、車体から内装まで全てを自分好みのものにすることであり、車が好きな人間であれば多かれ少なかれどこぞの部分はカスタマイズしているはずだ。そんなカスタマイズを「これ以上カスタマイズする部分が無い」というところまで行うのが、フルカスタムというもの。そして、オレはこのワゴンRを長年かけてフルカスタム化してきたのだ。

フルカスタムは車の全ての部分を改造するのだから、当然それに見合うパーツを用意しなければならない。そのパーツはどうやって調達するのかと言うと、市販のものを使用することもあったが車のカスタマイズ専門店などでオーダーメイドで作ってもらうこともしていたので、当然そのパーツにかかる費用はバカにならないくらいかけてきたと言える。ざっと見積もっても、余裕で200万円は超えているはずだ。その資金を集める時間や、改造の時間などを考慮するとワゴンRをフルカスタムするまでに3年はかかっただろう。それだけの時間と費用をかけてきた自慢のフルカスタムワゴンRが、一瞬の油断で起こした事故で廃車になった現実をどう受け止めればいいのか。また新しいワゴンRを購入してフルカスタム化するのは気が遠くなるし、かといって販売されたままの車には乗りたくないので、今かなりジレンマに苛まれている最中だ。